歴史・文明

歴史・文明

小説と物語──近代ヨーロッパの線引きと世界の受け止め方

小説の定義や物語との違いはどこにあるのか。近代ヨーロッパが作った「novel」という概念を軸に、源氏物語や千夜一夜物語など世界の物語との比較を通して、小説というジャンルの本質を探る。
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なぜ日本は苗字で人を呼ぶ国になったのか──制度が作った呼称文化と世界の比較

私たちは日常的に、職場でも学校でも人を「苗字」で呼ぶことに違和感を感じない。けれど、時代劇では「〇〇殿」「〇〇さま」と下の名前で呼ぶ場面が目立つ。実は日本も、かつては名前呼びが当たり前だった国だった。なぜ苗字がこれほど一般化したのか? それ...
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正統性は作られる──南北朝と天皇神話のねじれ

歴史には、誰かが作ったフィクションが、やがて誰も疑えない「真実」になる瞬間がある。日本の天皇制もまた、その典型だった。南北朝の正統性のねじれから、明治政府による自己正当化、そして昭和の狂信へ──。「正統性とは何か?」という問いを通して、歴史...
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書字方向の文化史──文字はなぜ右から左、左から右になったのか?

古い日本語の看板や本で見かける「右から左に書かれた横書き」。なぜあんなふうに書かれていたのか、不思議に思ったことはないだろうか。 文字の進む方向は、単なる習慣ではなく、刻む道具や書く動作の都合から生まれ、時代とともに変化してきたものだ。本記...
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官僚軍閥のなかの異端児──石原莞爾という戦略家

戦前の日本陸軍にあって、戦術よりも戦略を語った異端の軍人がいた──石原莞爾。 満洲事変を仕掛け、日米の最終戦争を予見した彼は、理想家か、それとも冷徹な現実主義者だったのか。 その功と罪をたどると、そこには“戦略なき国家”の構造的な欠陥が浮か...
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支配のかたち──植民地主義の多層構造と内在性

なぜ同じ国が異なる支配を使い分けるのか 帝国とは、単一の支配装置ではない。それはつねに「中核」と「周縁」、「支配」と「同化」、「内と外」を併せ持つ構造体である。 イギリスはインドを「植民地」として扱った一方で、アイルランドを「王国の一部」と...
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搾取の終焉──帝国はなぜ合理性を失ったのか

帝国はなぜ「搾取するほど損をする」構造に陥ったのか 帝国は、利益のために領土を拡げた。だがその拡張がやがて本国の足を引っ張る負債と化す。これは感情論でも倫理の問題でもない。純粋な損得の話である。 イギリスにとってのインド、フランスにとっての...
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帝国主義と知の支配──なぜ学問は体制と衝突するのか

現代において、「帝国」という言葉は過去の遺物のように響く。だが果たして、帝国主義は本当に終わったのだろうか? このシリーズでは、帝国とは単なる軍事力や領土支配ではなく、知の正当化、経済の合理性、そして内在する支配構造の三層で成り立つ複雑なシ...
人類の起源と考古学

「国がなければ無秩序」は嘘?グレーバーが見た“もうひとつの秩序”

「国家がなければ秩序は崩壊する」という常識に異を唱える、グレーバーのアナーキスト人類学を読み解く。九龍城砦の事例も交え、もう一つの秩序の可能性を考察。
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「その人物は実在したのか?」──歴史のなかの神話と記憶を読み解く

歴史を語るとき、私たちは時として不思議な宙吊りの地に立たされる。「それって、本当にあった話なの?」「その人物、実在したの?」──そう問いたくなるような話が、歴史の中で紹介されていることがある。 歴史上の人物について書かれた解説文を読むと、「...