比較人類学・文明論

比較人類学・文明論

環境決定論を超えて──人類の未来へ

『銃・病原菌・鉄』は、人類史における文明の格差を「人種の優劣」ではなく「環境の差」で説明した。その視点は、世界を捉える私たちの考え方を大きく変えた。だが同時に、この本だけでは語りきれない部分もある。 近代以降の歴史を決めたのは、環境だけでは...
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銃や鉄より強かった病原菌

ヨーロッパ人が新大陸を征服できた最大の理由は、銃でも鉄でもなかった。決定的だったのは、彼らが無意識に持ち込んだ「病原菌」だった。 天然痘やインフルエンザなどの感染症は、長い時間をかけて家畜と暮らしてきたユーラシアの人々に免疫を与えていた。し...
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産業革命を先行させたヨーロッパ、出遅れたアジア

農業と家畜という初期条件が文明の格差をつくったのは確かだ。だが同じユーラシア大陸に属しながら、なぜ近代においてヨーロッパが産業革命を先行させ、中国や日本は後れを取ったのか。この問いは、単なる資源や地理の差だけでは説明できない。 ヨーロッパは...
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農業と家畜がつくった力の差

文明の発展を決めたのは、兵器や政治制度よりもずっと根源的なもの それは農業と家畜だった。 肥沃な三日月地帯で小麦や大麦を育てられた地域と、根菜やトウモロコシに依存した地域とでは、人口規模も社会の組織力も大きく異なっていった。さらに、馬や牛、...
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なぜ文明に格差が生まれたのか

なぜある文明は他者を征服し、ある文明は支配される側に回ったのか。 人類の歴史を貫くこの問いに対し、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』は、人種や民族の能力差ではなく「環境と地理」という要因から答えを導いた。 本書は、私にとって考え方を...
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米と小麦が世界を分けた──農業と民主主義の関係

小麦と米の違いが、なぜ社会制度や人口構造の差を生んだのか? 農業の労働特性と収量効率から、中央集権と民主主義の起源を読み解く。 ジャレド・ダイヤモンドや梅棹忠夫とは異なる筆者独自の視点で迫る文明論。
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言語はなぜ崩れるのか?──まとめ

言葉は、なぜ崩れるのか──この問いをめぐって、私たちは音と文字のズレ、文法の揺れ、社会と権力の関係、そしてマイノリティの声にまで目を向けてきた。 それは単なる“言語の変化”ではなく、「人間が社会をどうつくり、どう変わってきたか」の記録でもあ...
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言葉は誰のものでもある──共通語とマイノリティのせめぎあい

「正しい日本語を使いましょう」「標準語で話しなさい」。こうした言葉の裏には、無意識のうちにある“言語のヒエラルキー”が潜んでいる。だが本来、言語とは誰かの所有物ではなく、人々のあいだに生まれ、受け継がれ、変化していく共有財のようなものだった...
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正しさは誰が決める?──言語規範と“誤用”という幻想

なぜ「誤用」と呼ばれるのか? 言語にはしばしば「正しい使い方」と「間違った使い方」が存在するとされる。たとえば―― 「ら」抜き言葉(見れる・食べれる)は誤り? 「的を得る」は本来「射る」だった? 「全然大丈夫」は“間違った日本語”? これら...
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言語は崩れるほうが強い?──不規則性が生む柔軟性と多様性

言語は変化する──それはもはや前提として受け入れられている。だが、その変化は必ずしも“崩壊”や“劣化”を意味するのだろうか? たとえば、文法の例外、不規則な動詞、意味の揺れ。一見すると非効率で混乱の元に思えるが、実はそうした“不規則さ”こそ...
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なぜ発音とスペルはズレていくのか?──英語とフランス語の“不一致”を解剖する

英語を学ぶ人なら誰しも一度はこう思ったことがあるはずだ。 「なぜ“knight”が“ナイト”と読むんだよ!」「“colonel”が“カーネル”?いや無理あるでしょ……」 このように、スペルと発音のズレは英語学習者にとって最大の障壁のひとつだ...
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自然言語はなぜ崩れるのか?

私たちが日々使っている自然言語──日本語や英語をはじめとするそれらは、はじめから「秩序ある体系」として設計されたわけではない。時代とともに崩れ、混ざり、ねじれながら変化し、それでも“使われ続けたもの”だけが生き残ってきた。 本シリーズでは、...
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遺伝子の多様性が高すぎても低すぎても文明発展に不利?

人類史における文明の興隆と停滞――それは「才能」や「意志」で語られることが多い。だが近年、文明の発展には遺伝的多様性という構造的条件が深く関わっていた可能性が指摘されている。本記事では、クアムルル・アシュラフとオデッド・ガロールによる201...